寵愛の姫 Ⅲ【完】
担任ー暁sideー
「ーーーー以上が、この学園の大まかな説明になります。」
「はい。」
隣に座る莉茉が、理事長に頷く。
「水瀬さん、今の説明で何か分からない点や、疑問や質問はありますか?」
「………。」
理事長の問いに数秒間、沈黙を保った莉茉が、首を横に振る。
「いいえ、大丈夫です。」
「そうですか。それなら、水瀬さんの担任になる先生をお呼びしますね。」
ゆっくりと椅子から立ち上がった理事長が、ディスクに備え付けられている受話器を取った。