寵愛の姫 Ⅲ【完】


「すまないが、前田先生に理事長室まで来るように伝えてくれ。」


簡潔に電話越しの相手に告げた理事長が、受話器を置く。



「………、」



前田だと?



……まさか…


莉茉の担任って、まさかあいつなのか…?




「暁、どうかした?」



不思議そうに俺を莉茉が見上げるのと同時に、部屋の中にノックの音が響く。



「ーーーー失礼します。」



嫌な予感は、当たるものだ。
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