寵愛の姫 Ⅲ【完】


「…………………前田。」



やっぱり、お前かよ。




ノックの音の後に入ってきた奴の姿に、思わず俺の口から溜め息が出そうになった。






内心で舌打ちを打つ。



ーーーーー親父の奴、前田が莉茉の担任になる事を黙ってやがったな。



「やぁ、高崎くん。」



俺を見つけた前田は、嬉しそうに相好を崩し、しわくちゃな顔を破顔させた。




変わらぬ笑顔。


穏やかな雰囲気。
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