寵愛の姫 Ⅲ【完】
あの頃と、何もかもちっとも変わってねぇ。
年を取ったぐらいか?
「久しぶりですね、高崎くん。元気そうでなりよりですよ。」
「……前田…。」
お前が莉茉の担任かよ。
嫌そうな顔をする俺を見て、前田は嬉しそうに微笑む。
「変わってませんね、高崎くんは。いい加減、私を先生と呼んでくれませんかねぇ。」
げんなりとする俺に、にこにこと笑みを深める前田に、こっそりと溜め息を吐き出す。
………………面倒くせぇ。