寵愛の姫 Ⅲ【完】




「うん?」



名前を呼ばれた俺は、隣へと視線を向ければ、莉茉が目を丸くしていた。



「あの、さ?」


「何だ?」


「知り合いなの…?」



俺と前田を交互に見る莉茉に、小さく頷く。



「あぁ、担任だった。」




不本意だけどな。



しかし、こればっかりは仕方がねぇよな、




「暁の?」


「そうだ。」




まさか莉茉の担任にもなるなんて、俺も夢にも思わなかったんだから。
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