寵愛の姫 Ⅲ【完】

幸せー神無sideー



「………………朔くんのお兄さん、あんな柔らかい表情もするんだね。」



私の口から零れ落ちるのは、感嘆の吐息。





驚きと戸惑い。


2つの事柄が、私の中から沸き上がってくる。



「だよね?俺も驚きだし。」




笑いを含んだ声の朔くんと一緒に、窓越しに階下を見下ろす。




丁度、お兄さんと彼女の莉茉さんの姿が、寄り添うようにしながら校舎内に消えて行く所だった。
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