寵愛の姫 Ⅲ【完】


「……………朔の女?」



真っ黒な瞳が私を見つめる。



「うん、可愛いでしょう?」



にっこりと微笑む朔くんが、私の肩を引き寄せ抱く。



「……ふーん。」



直ぐに興味をなくしたようだったけれど。



そこに、さっきまでの拒絶の色はない。





私は、恐怖に固まっていた身体を弛緩させた。
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