寵愛の姫 Ⅲ【完】



「えぇ、構いませんよ。」


「なら、場所を変えよう。」



ちらりと、私に天野先輩の視線が向けられる。



「っ、」



びくりと肩を震わせた私は、思わず朔くんの服の袖を無意識に掴んでいた。





他者を寄せ付けない、天野先輩が放つ雰囲気に身体がすくむ。




朔くんのお兄さんとは違うんだけれど。



目の前に佇む天野先輩にも、トップに立つ人のオーラが見えた気がした。
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