寵愛の姫 Ⅲ【完】


「えぇ、これから仕事がありますので、申し訳ありませんが。」



莉茉が学校でいないこの時間で、粗方の仕事は片付けておきたい。



「帰りに迎えに来たいので。」


「……そうですか。」



どこか残念そうな表情を浮かべた理事長も、椅子から立ち上がる。




「高崎くん?」


「はい?」


「お父様に、くれぐれもよろしくと伝えておいて下さいね?」




理事長の言葉に、俺は頷いた。
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