寵愛の姫 Ⅲ【完】
「えぇ、分かりました。」
「頼みましたよ。」
理事長が俺に手を差し出す。
「それと、水瀬さんの事はこちらでもフォローするので、任せて下さい。」
「………よろしくお願いします。」
全ては、莉茉の為。
理事長が差し出した手を、俺は握り返す。
「高崎くんも、気を付けて帰りなさい。」
「はい、失礼します。」
握り締めていた手を離し、理事長に一礼した俺は、部屋を出て、待っている大雅の元へと足を進めた。