寵愛の姫 Ⅲ【完】


◆◆◆◆◆



「暁、莉茉ちゃん様子はどうだった?」



車に乗り込んだ俺に、助手席に座る大雅が後ろを振り返る。



「担任に会って、少しだけ驚いてた。」


「担任?」


「前田だ。」




大雅を一瞥した俺は、煙草に火を付けた。



「………前田?」



びくりと、眉が跳ねる大雅。




「あぁ。」


「げっ!!」




前田の名前に、大雅の顔が盛大にひきつった。
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