寵愛の姫 Ⅲ【完】


頑張らなくちゃ。



折角、暁やお母さん、お父さんにあの桜樺に通わせてもらえるんだから。


皆の期待に応えられるよう、努力を怠りたくはない。



俄然、参考書に向かい合う自分自身に気合いも入る。



「…………なぁ、莉茉。」


「うん?」



問題を解くことに集中していた私を、躊躇いがちな暁が呼ぶ。



「それが終わったら、ちょっと出掛けないか?」
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