寵愛の姫 Ⅲ【完】

守りー朔sideー



「ーーーーで、天野先輩の話しって何ですか?」



人気のない裏庭で立ち止まった俺は、後ろにいる天野先輩へと振り返った。


「………朔、分かってるんだろ?」



天野先輩も、俺に距離を置いて立ち止まる。



「莉茉の事だ。」



「ーーーーだと思いました。」



だよな。



それ以外に、天野先輩が俺を訪ねてまで、用のない1年のエリアに来る訳がない。
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