寵愛の姫 Ⅲ【完】


「ーーーー暁さんに、俺と莉茉の事を聞いたのか?」



くすりと笑った俺に、天野先輩は苦い表情を浮かべると、薄く口角を上げる。




それは、何となく自嘲の笑みに見えた。



「えぇ、まぁ……。」



詳しい事は知らないけど、天野先輩と莉茉さんの間には“何か”があったらしい。





まぁ、


知りたくなし。



敢えて聞きたいとも、俺は思わなかったけどね。
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