寵愛の姫 Ⅲ【完】
「それは、龍神の皆さんも納得しているんですか?」
独りよがりじゃ、人数が多かろうと邪魔なだけ。
だったら、逆に俺1人の方が動きやすい。
「朔、それは大丈夫だ。」
「その根拠は?」
示してもらわないといけない。
莉茉さんを完璧に守る為には、小さなミス1つだって許されないのだから、
「莉茉は“あの”暁さんの寵妃だぞ?」
ふっと笑った天野先輩の顔が、龍神を束ねる総長である時の、真剣なものへと変わった。