寵愛の姫 Ⅲ【完】
「ふっ、そうだ。」
頷く彼は、自分の一生を彼女へと捧げたのだ。
報われないと知りながら。
「では、龍神全員の総意は得られたんですね?」
「あぁ、誰も文句なく、俺の提案に賛同してくれたさ。」
きっぱりと、誇らしげに言い切る天野先輩に、俺は肩の力を抜く。
「分かりました、龍神の皆さんに協力をお願いしますよ。」
使えるもんは、何でもありがたく頂戴しよう。
それが、有能な人材なら尚更。