寵愛の姫 Ⅲ【完】



「あぁ、莉茉は必ず守る。」



自分に言い聞かせるかのように呟いた天野先輩。






多少は同情してしまう。




絶対に手に入らない存在を愛した天野先輩に。





あの兄貴が、莉茉さんを手離すはずがないのだから。



「天野先輩、話しが以上なら、俺は先に教室へ戻らせてもらいますね。」



神無も、帰って来ない俺を心配しているはず。





それに、莉茉さんの事も気になるし。
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