寵愛の姫 Ⅲ【完】
1-A
悪意
「皆、席に着いて下さい。」
がやがやと騒がさしい教室内へと、構わずに前田先生は入っていく。
そうなれば、私もその背中の後を追うわけで。
「「………。」」
一斉に向けられる視線。
……………怖い……。
「っ、」
私の身体が、恐怖に強張る。
こんな事で、この居心地が良いとは言えないクラスで、これからやっていけるんだろうか……?
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悪意