寵愛の姫 Ⅲ【完】
「朔がいない……?」
朔は同じクラスのはずなのに、と首を捻った。
「………休み、なのかな?」
暁からは、朔が休みなんて聞いてなかったんだけど…。
途端に、心細くなる。
一人ぼっちになった気分だ。
「はぁ、弱いな、自分は…。」
自嘲の息を1つ落として、私は窓の外に視線を向ける。
そこには、真っ青な青空が広がっていた。
「………暁…。」
ねぇ、貴方は何をしていますか?
もう、暁に会いたくて堪らないよ。
その広くて、温かい腕に抱き締めて欲しい。