寵愛の姫 Ⅲ【完】


その意味を、段々と理解していく私。




友達って…。



「………あの、私と?」



自分を指差せば、そんな私を見て、目の前の彼女が可笑しそうに笑った。



「そう、水瀬さんと。」



くすくすと楽しげに笑う目の前の彼女の、ボブカットの柔らかそうな髪が、ふわりと揺れる。



「水瀬さん、私は 篠崎(しのざき)神無って言います。」




篠崎神無と名乗った目の前の彼女は、ほんわかと砂糖菓子のように私に微笑んだ。
< 182 / 469 >

この作品をシェア

pagetop