寵愛の姫 Ⅲ【完】




「彼女は、今日からこの1年А組に転入した水瀬さんです。」



クラス全員の視線が彼女へと集まる。






華奢で、ほっそりと長い手足。



儚げで。


寂しげな、その表情。







近くで見た莉茉さんは、やっぱり朔くんのお兄さんが惚れてしまうも無理がないほどに、とても綺麗だった。



「………、水瀬莉茉、です。」




前田先生の紹介の後に、小さく頭を下げた莉茉さん。




その姿さえ、クラス中の視線を釘付けにした。
< 184 / 469 >

この作品をシェア

pagetop