寵愛の姫 Ⅲ【完】



私の眉間に皺が寄る。



「本当、汚い。」



ぽつりと小さく呟いた私は、彼女達に軽蔑の視線を向けた。





朔くんのお兄さんに、自分自身では何もしないくせに。





そのくせ、付き合いたいって夢見るお馬鹿さん達。



「………………“あの子”も、そうだったなぁ。」



あの頃を、懐かしく思う。





朔くんと付き合い出したって知った瞬間、嫉妬に狂った目を向けた“あの子”の事を…。
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