寵愛の姫 Ⅲ【完】
「“あの子”みたいに、馬鹿な事をしないと良いんだけど。」
溜め息を落とす。
「はぁ、莉茉さんを攻撃しないで、お兄さんに直接アタックすれば良いのに。」
唇を尖らせた。
まぁ、そんな事をしても、朔くんのお兄さんに相手をされないだろうけど。
「ふふ、今さらお兄さんを狙っても、莉茉さんがいるから無理なのにね。」
今の朔くんのお兄さんには、莉茉さん以外は目にはいらないもの。
彼女に下手に手を出したら、本気で怒らせてヤバイ事になるんじゃない?
………………あっ、寒気が。
ぶるりと、身体を震わせた。