寵愛の姫 Ⅲ【完】



「………綺麗…。」



思わず、私の口から感嘆の溜め息が零れ落ちる。






凛と前を向く姿が。



………………毅然として見えた。




彼女の姿に、魅せられる。



「っっ、」



ぞくりと、身体が粟立つ。




………あぁ…



莉茉さんは、儚いだけの人じゃない。




真っ直ぐ前を向ける、揺るぎない強さを持っている。
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