寵愛の姫 Ⅲ【完】


「水瀬さん、私は篠崎神無って言います。」



ちらちらと向けられるクラスメイトの、煩わしい視線なんか知らない。




私は、自分の意志で動くの。





彼女とは、親友になれるって。





ーーーーそう、私の中の何かが告げるから。



「篠崎さん…?」



恐る恐る私の名前を呼ぶ莉茉さんに、笑みを深める。



「神無で良いですよ、水瀬さん。」


「………う、ん。」



困惑を隠せない様子の莉茉さんに、私は首を傾げた。
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