寵愛の姫 Ⅲ【完】



「………朔…?」



目を丸くする莉茉さんに、私はこくりと頷く。



「はい、私は朔くんの彼女なんです。」


「そう、なの?」



ひっそりと聞き返す莉茉さんに、私は小さく笑った。



「えぇ、だから朔くんから聞いていた莉茉さんに会えるのを、凄く楽しみにしてたんです。」


「………。」



瞬きを繰り返した莉茉さんは、笑う私にふわりと微笑む。



「ーーーーありがとう。」



その莉茉さんの一言に、多くの気持ちが込められている気がした。
< 195 / 469 >

この作品をシェア

pagetop