寵愛の姫 Ⅲ【完】
「………朔…?」
目を丸くする莉茉さんに、私はこくりと頷く。
「はい、私は朔くんの彼女なんです。」
「そう、なの?」
ひっそりと聞き返す莉茉さんに、私は小さく笑った。
「えぇ、だから朔くんから聞いていた莉茉さんに会えるのを、凄く楽しみにしてたんです。」
「………。」
瞬きを繰り返した莉茉さんは、笑う私にふわりと微笑む。
「ーーーーありがとう。」
その莉茉さんの一言に、多くの気持ちが込められている気がした。