寵愛の姫 Ⅲ【完】


「「………。」」



私達に、クラス中の視線が集まっているのが、何となく気配で分かった。






彼女は強い。



向けられる視線にさえ、怯む事もなく、揺るぎない眼差しで私を見るのだから。



「ふふ、」




周りなど関係ないと言わんばかりに手を差し出す彼女に、私は笑った。




強く、なれるだろうか?




彼女みたいに。




何があっても、真っ直ぐ前を向いて、ちゃんと歩ける人間になりたい。
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