寵愛の姫 Ⅲ【完】
「…神無?」
「うん?」
「神無も、私を莉茉って呼び捨てで良いよ?」
ーーーーーきっと。
神無のこの手を取った事を、私は後悔しないだろう。
予感がする。
私達、親友になれるって。
………………もう、茉莉には奪わせない。
「っっ、本当!?」
ばっと、神無の瞳が輝く。
「うん、神無には、莉茉って呼んで欲しいな。」
「っ、ありがとう、莉茉。」
私がこくりと頷けば、それだけで嬉しそうに、にっこりと神無の顔が綻んだ。