寵愛の姫 Ⅲ【完】
………あぁ…。
神無、可愛いな。
朔が惚れるのも納得だ。
「………………………あれ、もしかして2人とも、仲良くなったの?」
驚いたような声に振り向けば、目を丸くした朔がいつの間にか佇んでいた。
「朔くんっ!!」
「ただいま、神無。」
「お帰りなさい、朔くん。」
満面の笑みで出迎える神無に、朔は顔を緩ませる。
「良かったね、莉茉さんと仲良く出来て。」
神無へと向けられる朔の眼差しは、私から見ても、とても愛おしさに溢れていた。