寵愛の姫 Ⅲ【完】
「…うん。」
恥ずかしそうに頷く神無の頭を優しい手付きで撫でた朔は、席へと座る。
「………朔の席は、神無の隣なの?」
首を傾げた私に、朔の視線が、向けられた。
「えぇ、頼み込んで変わってもらいました。」
にこやかに口角を上げる朔に、私は笑う。
「朔と神無は、凄く仲が良いんだね?」
「兄さんと莉茉さんには、敵いませんよ。」
くすくすと笑う朔。
その隣では、神無がうんうんと頷いていた。