寵愛の姫 Ⅲ【完】



「か、神無?」



「………。」



すがるように名前を呼べば、神無の視線が私から、さっと逸らされる。







ねぇ、神無さん。



………………それって、否定が出来ないって事ですか!!?



「朔くん、莉茉は鈍感ね。」



ど、鈍感!?



神無の言葉に、ショックを受ける。



「でも、神無?」



「うん?」



「そこが、兄さんには良かったんじゃない?」
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