寵愛の姫 Ⅲ【完】



「………そう言えば、」



神無と笑い合っていた私は、朔へと視線を向ける。



「何で朔は朝、教室にいなかったの?」



朔が来たのは、朝のホームルームが終わってから。





その時に、鞄を持っていなかったから、登校はしていたって事で。



「あー………。」



どこか困ったように目をさ迷わせた朔は、目尻を下げる。



「………?」



怪訝な眼差しを向ければ、朔は視線を泳がせた。
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