寵愛の姫 Ⅲ【完】



「ご、護衛?」



何、そのいかにも物々しい単語は。



え、怖すぎるんですけど…。



「莉茉さん、学園内のセキュリティは万全ですが、完全とは言えないんですよ。」



「………そう、なの?」



私には、立派な学園に思えるけど。




朔には、違うらしい。




その目が、とても真剣だった。



「えぇ、貴方は兄さんの弱味になる存在ですから、少しのミスも許されません。」



「っっ、」



はっと息を飲む。
< 231 / 469 >

この作品をシェア

pagetop