寵愛の姫 Ⅲ【完】



私は、1人じゃない。




暁が。


朔や神無が、今は私の側にいてくれる。



「…………………ありがとう、朔。」



心からの感謝を。




ゆるりと私が微笑めば、朔もどこまでも綺麗に、優美に笑った。



「私も、莉茉の見方だよ?」



ぎゅっと、神無によって力強く握られる私の手。



「ふふ、うん、神無もありがとう。」



………あぁ…。



暁に出会ってから、私の小さかった世界が、一変した気がするよ。
< 234 / 469 >

この作品をシェア

pagetop