寵愛の姫 Ⅲ【完】
友達ー暁sideー
「………っ、暁。」
生徒玄関から出て来た莉茉が、俺の姿を見た瞬間に顔を綻ばせた。
「ふふ、莉茉、また明日ね?」
「あ、うん、また明日ね、神無。」
朔の隣にいた女に肩を叩かれた莉茉が、笑顔で答えた後に、俺へと走り寄る。
「ただいま、暁。」
頬を上気させた莉茉が、勢い良く俺の腕の中に飛び込んで来ると、抱き付いてくる。
「………あぁ、お帰り。」
抱き付いてきた莉茉を、しっかりと受け止めた。