寵愛の姫 Ⅲ【完】



「ふふ、うん。」



上機嫌で頷く莉茉に、俺は目を細めてから口角を上げる。



「ねぇ、暁?」



「ん?」



「神無に会った事があるの?」



莉茉が首を傾げた。



「あぁ、朔なの彼女だって紹介された事がある。」



まぁ、忘れてたけどな。



心の中で付け足す。



「そうなんだ。」



にこにこと満面の笑みの莉茉の細い肩を、俺は抱いた。
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