寵愛の姫 Ⅲ【完】



「っ、」



目を見開いて固まった後、莉茉の顔が真っ赤に染まる。



「っっ、それは…。」



「それは?」



「っっ、意地悪…。」



涙目の莉茉が、唇を尖らせた。



「くくっ、俺が苛めるのは、莉茉だけだ。」



「………っ、知ってるよ、そんな事。」



拗ねた莉茉が、そっぽを向く。



「………………………、効いたよ…。」



小さく呟いた莉茉に、俺はゆるりと口角を上げた。
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