寵愛の姫 Ⅲ【完】



「じゃあ、ご褒美だな?」



「………っっ、」



耳まで朱に染まる莉茉に、俺の中で欲情が疼く。





このまま、押し倒したくなる。





が、我慢だ。



「莉茉、もう帰るぞ。」



「………うん。」



こくりと頷いた莉茉は、後部座席のドアを開けて待っている、銀次へと視線を向ける。



「ただいま、銀次さん。」



「お帰りなさい、若姐さん。」



律儀に頭を下げて出迎える銀次の姿に、莉茉は小さく微笑んだ。
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