寵愛の姫 Ⅲ【完】
「っっ、」
驚きに私が身体を強張らせるのは、一瞬で。
直ぐに力を抜き、暁の腕の中にそのまま身を任せる。
「………暁…?」
暁を見上げれば、愛おしげな眼差しで見ていて。
私の胸が高鳴る。
………あぁ…。
こんな何気ない朝が、私にとっては、とてつもない幸せを感じる瞬間。
「ーーー莉茉、おはよう。」
甘く私の名前を呼ぶ暁の声に、私は身を任せたまま、うっとりと幸せに酔いしれた。
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