寵愛の姫 Ⅲ【完】



「ふふ、おはよう、暁。」



本当、幸せだ。



こんなにも、心の中が満たされる。




「莉茉?」



「ん?」



「誕生日、おめでとう。」



耳元で囁いた後、暁が私の額に口付けた。



「………?」



誕生日…?



「………………莉茉、気が付かなかったのか?」



きょとんと暁を見上げていれば、呆れたような表情を浮かべられてしまった。
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