寵愛の姫 Ⅲ【完】


「俺が何年、暁と付き合ってると思ってんだよ。」


「…………。」



なぜだか勝ち誇る大雅に、俺は何の言葉も出ない。




別に、自慢にならねぇから。


「………………大雅。」



「ん?」



「キモい。」



端的に一言。




これ以上、大雅に似合う言葉はねぇ。



「き、キモい…?」



ズバリと言い切る俺に、ドヤ顔だった大雅の表情が、みるみる悲壮感を漂わせていった。
< 264 / 469 >

この作品をシェア

pagetop