寵愛の姫 Ⅲ【完】


まぁ、無理もないけど。



「………………くくっ、馬鹿だな。」



壁際に控える俺の口から、冷笑が零れ落ちる。







大事な。



暁の宝物でもある莉茉ちゃんを、“あれ”呼ばわりされて、怒らない訳がない。





俺も馬鹿な父親に、冷たい侮蔑の視線を向けた。







もう、さぁ。



………………そのうるさい口を開くのを、止めてもらえないかなぁ?




じゃないと。
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