寵愛の姫 Ⅲ【完】


「水瀬さん。」


「………。」


「いずれ莉茉と会わせる機会を、日を改めて設けますので、今日はお帰り下さい。」



莉茉ちゃんの父親が会社を経営しているなら、スキャンダルは致命的な損失に繋がる。




それを分かっていて、暁を訴えれる訳がない、









ーーーーーだから。



「………分かった。」



暁の提案に、そう言うしかないよな。






項垂れた莉茉ちゃんの父親が、座っていた椅子から立ち上がった。
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