寵愛の姫 Ⅲ【完】

「娘を返して頂きたい。」



憤る父も。



「………っ、あんな子と、高崎さんは釣り合わないと思いますわ。」



怯える母さえ。





馬鹿馬鹿しくて、嫌になる。






ねぇ、お父さん、お母さん?





聞きたい事は、1つだけ。







ーーーーーーー仲の良い“家族ごっこ”を、今さらするつもりなの?



「………………ふっ。」



私の口から、笑みが零れ落ちる。





本当、有り得ない。




無理なのにね?
< 301 / 469 >

この作品をシェア

pagetop