寵愛の姫 Ⅲ【完】



強いて言うなら。



「ーーー勘、かな?」



小さく笑み溢す。






強い根拠があった訳じゃない。






………………でも。


「ねぇ、違った?」



私は、首を傾げる。





いつもと、暁の雰囲気が違う。






それは、小さな違和感。




学校に私を迎えに来てくれた時から、暁の、その違いを感じてた。


「………そう、か。」



それだけ言った暁は、口を噤む。




少しの沈黙が、部屋の中に流れた。
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