寵愛の姫 Ⅲ【完】


「私にも暁の重荷を、少しは背負わせて?」


頼りないかも知れない。







………………それでも。





私にも、暁の不安や苦しみを分け与えて欲しいの。


「………今日…。」



ゆっくりと、躊躇いながらも、暁が重い口を開く。



「今日?」

「………、会社に来たんだ。」

「うん?」


きょとんと、暁を見上げる。





来た?




暁の会社に?


「ねぇ、誰が来たの?」



呑気にも、何も知らなかった私に、暁は、その人達の名前を告げた。
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