寵愛の姫 Ⅲ【完】
「………、」
はっと、息を飲む。
思考の全ても、停止した。
………あぁ…
ーーーーーついに、この日が来たのか。
「………………莉茉…。」
「………。」
気遣うような眼差しで私を見る暁に、全く、何の反応も返せない。
………………分かってた。
いつか、両親や茉莉が、何かしらの動きを見せるって事を…。
覚悟は、してたでしょう?
あの茉莉が、私の幸せを、許すわけがないんだから。
「………っ、そ、う…。」
ぽつりと、それだけを、どうにかやっと呟いた。