寵愛の姫 Ⅲ【完】
「っっ、」
何度、傷付いてきただろう。
期待して。
そして、いつも絶望するんだ。
ーーーー愛されたかった。
ただ、必要とされたかっただけたのに。
私の望んだ事は、何一つ叶わず、簡単にこの手の中から零れ落ちていく。
「っ、何で…。」
いらないなら、何もせず、そっとしておいてくれれば良いのに。
どうして、私の心を、あの人達は、こんなにも掻き乱すんだろうか。
………………そんなにも、憎いの?
少しの幸せさえも、許せないぐらいに。
私が生まれた事が、そもそも間違いだったとでも、貴方達は言いたいのですか?