寵愛の姫 Ⅲ【完】
「っ、うぅ~~。」
まさに、号泣。
俺にしがみ付いて、大声で泣き出した莉茉を、あやす為に、強く抱き締める。
「………………っ、暁、………暁…。」
何度も俺の名前を繰り返し呼び、求める莉茉が、再現なく、堪らなく愛おしい。
………なぁ。
少しだけ、憎い両親であるお前等に、俺は感謝してやるよ。
こんなにも愛おしい莉茉を、この世に生み落としてくれたんだからな。
それだけは、本当に感謝してやる。
「莉茉?」
「っっ、」
「大丈夫だ、俺はここにいる。」
俺の存在を教え込むように、強く、華奢な莉茉の身体を、自分の胸元へと引き寄せた。