寵愛の姫 Ⅲ【完】
「っっ、暁…。」
赤く染まる、莉茉の頬。
潤んだ瞳。
その莉茉の仕草の全てが、俺の理性を壊して、どれもが欲情させる。
「俺を、莉茉の家族にすれば良い。」
莉茉の左手を持ち上げて、指輪を嵌めた薬指にも、俺は口付けた。
「………莉茉、返事は?」
まぁ、イエス以外は、いらないけどな。
「っ、おね、がいします。」
「ふっ、あぁ。」
恥ずかしそうに鼻を啜る莉茉に笑った俺は、軽くて華奢な身体を抱き上げた。